移乗介助用リフトは介助者の腰痛予防に有用であるが, スリング付け外し時の体位変換や車椅子での座り直し介助などの介助者負担と, 吊り上げ時の被介助者圧迫痛や心理的不快感などの問題があった. このため, 被介助者とベッド面および車椅子座面との接触圧分布を計測し, 肩甲棘部などの高圧部位を避けて仰臥位や座位のまま身体の下に差し込め, 身体を広く支持できるスリングを開発した. また, 仰臥位から座位までの姿勢変換中に被介助者の重心位置が変動しないハンガー条件を求め, 手動で姿勢変換可能なハンガー機構を開発した. これらを市販のリフトに取り付けて評価した結果, ベルト型スリングに対して作業時間は11%, 腰椎への負荷は24%軽減した. 座り直し介助も不要となり, 被介助者の圧迫痛と恥ずかしさや不安感も改善した.