本研究は,長距離走中の走行フォームから,足部の変形傾向を推定する方法を提案することを目的とした.被験者は10km完走経験がある男性17名とした.試技は,加工した靴を用いてマーカーを足部へ直接貼付した状態でトレッドミル上にて10km走行させた.1kmごとの走動作と10km走前後の静止立位を3次元動作分析装置で計測した.結果として,走動作の支持期中に最大変形したときのアーチ高は走行フォームからおおむね推定可能であった.しかし,後足部に対する前足部姿勢など,後脛骨筋の伸張ストレスによる障害に関連する可能性が高い3次元的な足部変形傾向を知るためには,後足部や前足部に反射マーカーを直接貼付するような詳細な足部計測の必要性が示唆された.