バイオフィリア リハビリテーション学会研究大会予稿集
Online ISSN : 1884-8699
ISSN-L : 1884-8672
バイオフィリアリハビリテーション学会
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挨拶・祝辞
24 回大会長挨拶
山下 和彦
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p. 1-

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抄録

 このたびは,第24回バイオフィリアリハビリテーション学会~リハビリ医療介入方法多様化への提案~にご参加いただきありがとうございます.

 2020年現在,日本は高齢化率28.7%,後期高齢化率(75歳以上の人口割合)は14.9%です.2042年には高齢者人口(3,935万人)が最大となります.ここで問題となるのは,高齢化率だけではありません.都心部では2045年までは人口が増加しますが,地方の多くは40~60%以上減少することが予測されています.つまり,人口密集率の高い都心部では,糖尿病,関節症,認知症などの様々な状態を持つ独居などの単身高齢者を対象とするリハビリが求められています.さらには,自宅やデイサービスセンタ,集会所などで楽しく実践でき,遠隔で実践度や状態をモニタリングすることが期待されます.一方,地方では人口減少が大きいのは若い世代となります.そのため,介護人材の減少が課題となるだけではなく,近隣のスーパーなどの施設も減少し,生活自体が孤立化していくと予測できます.

 リハビリの方法は大きな転換期を迎えています.従来の他動運動を短い時間のみリハビリ室で行う方法のみではなく,“遠隔”,“定量的”,“自分だけでも簡単に実施できる”リハビリに国内外で注目が集まっています.そのため,本大会のテーマは「リハビリ医療介入方法多様化への提案」とし,様々な観点から理学療法士などのリハビリの専門家,ICTを推進する工学者,支援者などを交えディスカッションができればと期待いたしております.そして,本学会で注目している創動運動はMotivative Exerciseとも呼ばれ,リハビリ現場で実証データが積み重ねられています.病院だけではなく,通所リハビリの施設でも活用が広がりつつあり,新しい報告が楽しみな状況でもあります.

 これからの社会のニーズに合ったリハビリを提供し,エビデンスを構築するために,様々な職種の方にご参加いただき,活発な議論が起こることを期待いたしております.

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© 2021 バイオフィリア リハビリテーション学会
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