2014 年 10 巻 p. A1-A9
水鳥の採食行動を明らかにするために,給餌実験と野外実験を行なった.給餌実験ではカルガモにクロモの地上部(茎と葉)と塊茎を与えたところ,明らかに塊茎を好んだ.野外実験は愛知川河口付近の水深30cm と60cm のクロモ群落で行なった.ネットを張った調査区とネットを張らない調査区を設置し,越冬する水鳥が飛来した前後の塊茎密度を測定した結果,塊茎密度が高かった水深60cm の調査区において多くの塊茎が食べられていた.これらのことから,水鳥はクロモの塊茎を好み,塊茎密度に依存して採食している可能性が考えられた.