2017 年 2017 巻 46 号 p. 39-50
神奈川県の南西端に位置する真鶴半島先端部の樹林、“御林(おはやし)”において、樹林内の林床に生育する植物と直上の空間を占める樹木種の種多様性と分布を量的に把握するための調査を行った。樹林内の遊歩道に沿って連続する107 の調査区間を設定し、調査区間ごとに林床に生育する下層植物と直上の空間に広がる上層の樹木をそれぞれリストアップした。調査区間全体で下層には維管束植物178 分類群が、上層には27 分類群がそれぞれ記録された。出現植物種に基づく調査区間のクラスタリングの結果、下層では谷と尾根の地形が植物の出現パターンに強く影響していた。また、下層、上層の出現パターンは全体として異なっており、上層部に広がる樹木の種組成が必ずしも下層植物の組成と関連していないことが示された。