2019 年 2019 巻 48 号 p. 75-80
ムネアカハラビロカマキリHierodula sp. は、中国原産と考えられる外来種で、国内では最初に2010 年に福井県で確認され、神奈川県内では2015 年に記録された。本種は、在来の同属種に対して強い侵略性を有することが明らかになっている。本論文では県内で新たに確認された定着地での詳細な分布調査結果を示した。ここでは、現状では侵入初期と考えられ、在来種ハラビロカマキリと混生していた。また、市販されている中国産竹箒に付着した卵鞘の追加確認事例と、これまで報告のなかった本種の灯火への飛来例を岐阜県で観察したのであわせて報告した。