抄録
2021年7月神奈川県箱根町駒ケ岳頂上付近でハコネハナヒリノキの葉に黄白化した病斑が見つかった。病斑の葉裏側は粉状物で覆われていた。これらは植物病原菌によるものと考えられ、形態学的特徴と宿主情報からこの植物病原菌はハナヒリノキ平もち病菌に近縁のもち病菌と考えられた。ITS領域による相同性検索の結果、登録されているハナヒリノキ平もち病菌が上位3位以内の相同性を示したが、本菌はもち病菌の1種だがハナヒリノキ平もち病菌とは同定できなかった。以上のことより、本病害はExobasidium属菌によるハコネハナヒリノキ平もち病(新称)とした。