抄録
2011年3月11日に発生した東日本大震災では,多くの外国人も被災者となった.これを機に,各自治体では災 害弱者に対する避難支援体制作りが急務となった.在住外国人が町の人口の15% 以上を占める,群馬県大泉町で は,在住外国人を災害弱者としてではなく,地域の担い手としての有力な人材になってもらうため,地域住民とと もに災害想定訓練を実施することにした.桐生大学ボランティサークルの学生は,この企画に協力スタッフとして 参加し,想定訓練の運営に携わった.訓練実施後に参加した在住外国人を対象に,この訓練がどうだったか,聞き 取り調査を行った.その結果,ほとんどの人から「よかった」と回答が得られた.また,訓練を企画した主務者間 で訓練を振り返り,意見交換会を行い,そこでは,救急法などは繰り返し行うことで,いざというときの行動判断 につながることや1回だけのイベントではなくて,継続して取り組むことが重要であるといった意見が出された. また,災害時には地域住民と在住外国人が同じ地域の構成員として助け合うことが大切である.このような訓練の 経験を通して,顔見知りになり,お互いの文化や生活習慣を理解するよい機会になったことがわかった.ボラン ティサークルの学生は,このイベントの企画を通して多くのことを学んだ.また,言語的コミュニケーションの大 切さもあらためて感じた.