2018 年 29 巻 p. 59-65
日常食している香辛料,嗜好品,果実の成分に尿酸生成抑制作用があるのかを確かめるため,ローズマリー,タ イム,ヨモギ,コーヒーおよびブラックベリーについてキサンチンオキシダーゼ(XOD)阻害活性を調べた.また, これらの食材に含まれているいくつかのポリフェノールについて,どのポリフェノールが尿酸生成抑制に関与する のかを明らかするため,カルノシン酸,カフェ酸,ルテオリン,アピゲニン,α-グルコシルルチン,エラグ酸,プ ロトカテク酸,クエルセチン,ロスマリン酸についてのXOD阻害活性を調べた. その結果,次のことがわかった. 1. ローズマリーおよびタイムにおいて高いXOD 阻害率(96.7%および84.6%)が示された.ヨモギ,コーヒー, ブラックベリーのXOD 阻害率は,67.3%,44.9%,20.3%であった. 2. ローズマリー,タイム,ヨモギ,コーヒーおよびブラックベリーのそれぞれのXOD 阻害率には濃度依存性が 示された. 3. 各ポリフェノールのXOD 活性の阻害率は,カルノシン酸(86.9%),カフェ酸(75.1%)で高かった.ルテオ リン,アピゲニンの阻害率は25%~39%で,α- グルコシルルチン,エラグ酸,プロトカテク酸,クエルセチ ン,ロスマリン酸の阻害率はわずかであった. 4. カルノシン酸,カフェ酸のXOD 活性阻害には濃度依存性が示された. 5. ローズマリー,タイム,ヨモギ,コーヒーおよびブラックベリーのXOD 阻害活性はこれらに含まれるポリ フェノールの種類に影響を受けている可能性が示唆された.