抄録
本研究の目的は,勤労女性のプレゼンティズム予防に向けた知見を得るために,本邦における勤労女性のプレゼ
ンティズムの影響要因に関する文献レビューを行い,現状を把握し,今後の課題を示すことである.
医中誌 web を用い,プレゼンティズムおよび勤労女性で検索した.表題,抄録,本文を採択基準とガイドライ
ンに基づき照合・精査し,包含基準と除外基準を満たす4件を採択した.
抽出された論文はすべて横断研究であり,対象者は介護職員や看護師,様々な業種の勤労女性であった.勤労女
性におけるプレゼンティズムの測定用具は,すべてプレゼンティズムにおける労働生産性を測定していた.勤労女
性におけるプレゼンティズムの影響要因は,個人要因では腰痛や,うつおよびバーンアウトというこころの問題,
月経前症候群があり,組織的要因ではストレインと仕事のコントロールの良好さ,上司・同僚のサポートであった.
今後,国内での勤労女性におけるプレゼンティズムの影響要因の調査が重要であり,影響要因の把握により組織的
な取り組みにつながることが示唆された.