桐生大学紀要
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pCMVlux 導入 COS7 細胞を用いたヘキサナール及びノナナールに対する バクテリアルシフェラーゼの発光の検出
小林 葉子
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2020 年 31 巻 p. 61-67

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抄録

 食品には様々な匂い (香り) 物質が含まれ,食品特有の匂い (香り) を構成している.炭素数6 及び9 の直鎖脂 肪族アルデヒドであるヘキサナール (n-hexanal) およびノナナール (n-nonanal) も,食品の匂い (香り) を構成する 物質である.私たちは,食品中の匂い (香り) 物質は他の栄養素と共に体内に取り込まれ,生理作用を持つ,と考 えている.これまでに,ヘキサナールやノナナールがラット脳線条体切片やラット副腎褐色細胞腫 PC12 細胞から のドーパミン放出を促進することを報告している.  バクテリアルシフェラーゼは,脂肪族アルデヒドと還元型フラビンモノヌクレオチド (FMN) をカルボン酸と FMN に酸化する反応に伴い青緑色に発光する化学反応を触媒する.pCMVlux は,サイトメガロウイルスプロモー ターの下流に完全ヒト発現最適化合成ルシフェラーゼ遺伝子カセットを含んでいるプラスミドである.  本研究では,pCMVlux を導入したアフリカミドリザル腎由来 COS7 細胞 (COS7-pCMVlux) を用い,ノナナール 及びヘキサナールを基質とするバクテリアルシフェラーゼの発光の検出を試みた.ノナナールに対する発光はヘキ サナールよりも強く,還元型 FMN を測定溶液に加えることにより増強した.COS7-pCMVlux 細胞からの発光は, 還元型 FMN を添加しても,ノナナール添加 15 秒以内には50%以下に減衰した.超音波で破砕した COS7-pCMVlux 細胞では,ノナナールに対するバクテリアルシフェラーゼの発光は,還元型 FMN の存在下で低値を示し,発 光時間の延長は見られなかった.  以上の結果から,ノナナールは COS7-pCMVlux 細胞に取り込まれ,発光すると考えられる.

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© 2020 桐生大学・桐生大学短期大学部
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