抄録
関東ロームは工学的に種々の特異性を有しており,現場においても困難な問題を引起している.これらは土粒子構造あるいはその表面の性状が原因の1つと考えられる.このために,加熱処理により物理的性質あるいは吸着特性がどの様に変化するかを実験的に解明し,関東ロームの土粒子特性について若干の考察を加えた.その結果次のことが解った. (1) 物理的性質は加熱処理温度600℃以上において変化が顕著である.たとえば,この温度で試料重量の減少,有機物含有量の減少は終了,比重値は急増,保水力は急激に低下する. (2) 比表面積は300℃付近で最大値を示し,600℃以上で急減する.吸着等温線のヒステリシスの大きさもこれとほゞ近い挙動を示す. (3) X 線回折によると800℃以上で土粒子が結晶化する. (4) 熱処理による性質の変化は細孔の挙動が関与している.