アクティブラーニングは,一般に課題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習のことを指し,総合的な学習の時間(以下,「総合的な学習」と略す)で実現しようとしてきた授業の質的転換と符合するものであった。このアクティブラーニングは,一方向的で受動的な講義形式が主流だった大学の授業に対し,「学習者中心のパラダイムへの転換をはかるための牽引役として登場し」(松下 2015, 3頁),主に高等学校に普及していった。この時に出された文部科学大臣の諮問文(2014年11月)では,「課題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習」と定義されていたことからすると,この時点では,主体的・協働的(対話的)に学ぶ姿(どのように学ぶか)までに留まり,到達点としての「深い学び」(どこまで学ぶのか)までは示されていなかった。