大阪府立公衆衛生研究所 研究報告
Online ISSN : 2185-4076
ISSN-L : 1343-2923
クレオソート油を使用した市販中古枕木の違反事例-法規制されている3種の多環芳香族炭化水素の検出-
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2016 年 54 巻 p. 77-82

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抄録

家庭用品規制法では、クレオソート油処理木材中のベンゾ[a]アントラセン(BaA)、ベンゾ[a]ピレン(BaP)、ジベンゾ[a,h]アントラセン(DBA)の3種の多環芳香族炭化水素(PAH)が、それぞれ基準値3ppm以下で規制されている。公定分析法に示されているGC/MS条件(SIM測定)では、規制物質の定量イオンと同じ質量数のフラグメントイオンを有する規制対象外のPAHが、規制物質と同じ保持時間で検出される場合がある。それら物質が相互分離する分析条件を検索した。また、中古枕木を汚染している由来不明の油分などを除去する前処理法の検討を行い、良好な定量確認法を作成した。 平成24年度に試買及び収去したガーデニング用中古枕木(合計5検体)を、確立した方法で検査したところ、全ての検体から3種の規制対象物質が基準値を超えて検出された。

© 2016 地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所
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