2017 年 2017 巻 1 号 p. 90-94
2011年9月29-30日の第九回国際バイオフィリアリハビリテーション学会の内容を紹介しています。各国の発表のほか、我々の学会に特徴的な内容を紹介しました。
筆者は文部科学省指定研究機関バイオフィリア研究所教授として、参考資料1)に示す臨床研究の責任者でもあり最初の報告者に指名されました。
下肢の他動運動と創動運動の脳機能に与える効果を頭部機能的近赤外線分光法(fNIRS)により調べ、それぞれの脳の運動野(運動を司る脳の場所)を中心に、オキシヘモグロビン(OxyHb、酸素を運んでいるヘモグロビン)の変化の多重検定による結果を比較しました。その結果、理学療法士による他動運動と自分でする創動運動では、脳活動が膝屈伸運動に係る創動運動で、広範囲に活発なことがわかりました。統計的検定の結果で明らかになりました(P<0.05)
我々はこれらの結果から、他動運動を、ほぼ自力で実施できる創動運動で代替できる可能性を示せたと総括しました。簡単に言うと他動運動をせずに創動運動をすればよい可能性が示されたのです。研究対象の社会医療法人若弘会介護老人保健施設竜間之郷で、今後タキザワ式リハプログラムの内容を検討し、必要な内容を当施設で実施中のプログラムに取入れ、より有効なリハプログラム開発に努めたいと纏めました。
その他の研究も興味深いものです。