抄録
ヒジキゴケはヒジキゴケ科に属す蘚類で,日当たりの良い岩上に生えている.植物体は,葉が乾くと茎に密着して紐状に見える.葉先は透明であること,葉身細胞上部のパピラに枝分かれがあること,苞葉が繊毛状になっていることなどが特徴である.本種が含まれるヒジキゴケ属は,北半球を中心に寒帯と温帯地域に広く分布している.
日本産の標本を用いた分類学的な再検討は行われていない.現在我々は,日本国内の標本を用いて,日本産ヒジキゴケ属植物の実態を明らかにすべく研究を進めている.本発表では,これまで日本産の標本について分子系統学的な解析を行った結果を発表した.