抄録
金沢工業大学では,若者による SDGs(Sustainable Development Goals(持
続可能な開発目標)の達成に貢献するアクションを生み出すため SDGs に関するカリ
キュラムを提供している.このカリキュラムのうち,3 年次前学期の科目である「SDGs
基礎」において,生成系 AI の一つである ChatGPT を用いた学習を組みこむことで,
領域横断かつ地球規模な視点が必要となる SDGs 教育・ESD を効果的に進めていく
ことを目指した.本研究では,SDGs 教育・ESD において,大学生がどのように ChatGPT
を用いることが効果的な学習につながるのかを明らかにすることを目的とする.結果
として,ChatGPT について使い方を学ぶことで学習に有用だという認識は広がる一
方で,グループワークでは主体的に ChatGPT を用いるものの,個人課題では主体的
に ChatGPT を用いる学生が半数に留まることが明らかとなった.また,ChatGPT を
学習に組み込むことは,学習の質を高める場合と下げる場合の双方に影響を及ぼす可
能性があることが明らかとなった.