抄録
適度に細胞構造を安定化しながら動的性質を保持し続けることは、細胞外からのストレスシグナルに応答することで可能になる。細胞のストレス応答系(ストレスタンパク質発現)はストレス応答時に機能するだけではなく、非ストレス時においても細胞の生存を維持するのに必須である。細胞の形態や運動を構成する細胞骨格系タンパク質は細胞内で固定された物ではなく動的な骨格構造を持つが、ストレスタンパク質αB-crystallinはその細胞骨格の動的特性を安定化していると考えられる。αB-crystallinは抗重力筋に構成的に発現しているため、重力と深い関係があるかもしれない。細胞骨格ダイナミクス維持基盤としてのストレスタンパク質が運動刺激への応答や細胞骨格のリモデリングに果たす役割について述べる。