武道学研究
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大学柔道選手95kg超級の基礎体力と体脂肪との関連について
飯田 穎男松浦 義行松本 デービット小森 富士登中島 〓武内 政幸田中 秀幸
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1997 年 30 巻 1 号 p. 22-30

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抄録

国際大会,全日本学生柔道優勝大会に出場した選手を含む4大学,95kg超級柔道部員63名を対象として体格・基礎体力テスト8要素10項目の測定結果より,セルコ社製BI法(SIF-891)による,Percent bodyfat(%) について各群の人数がほぼ等しくなるように,即ち18.5-24.0%(N=12),24.1-27.0%(N=12),27.1-28.9%(N=13),29.2-32.0%(N=13),32.2-42.1%(N=13)の5群の下位標本に分類し,体脂肪率群間の差異を求め,基礎体力と体脂肪率との関連について検討した結果,次のような結論が得られた。
1)Percent body fat(%) の増加とともに体重も増加する。
2)400m走で代表される瞬発的持久性はPercent body fat(%) の増加とともに顕著に低下する。
3)Side Step で代表される敏捷性,垂直跳びで代表される瞬発力は, Percent body fat(%)24% を境にこれらの基礎体力要素のレベルが分かれると推測された。
4)Bass dynamic balance test で代表される動的平衡性は, Percent body fat(%)の増加と共に劣る。
以上の結果より重量級選手の競技力として必要な基礎体力のトレーニング法に重要な示唆が得られた。今後更に被検者を多く各階級別について,その基礎体力の構造,身体組成,各項目間の相関等々柔道競技における選手の基礎体力の適性について検討して行きたいと思っている。

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