武道学研究
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剣道における打突が人体の頭部に及ぼす影響について―ダミーを用いたシミュレーション実験―
百鬼 史訓横山 直也有田 祐二久保 哲也山神 眞一
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2005 年 37 巻 3 号 p. 1-11

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抄録

本研究は,剣道において面や突きなどを打突された際に,剣道具(面)をとおして人体の頭部に伝達される衝撃力について,バイオメカニクス的観点から明らかにするために,打撃用ダミー人形や被験者への実戦的な打突が頭部へ及ぼす力学量(加速度)を計測し,頭部の安全性についてJARIの人体頭部耐性曲線を元に検討することを目的とした。
得られた結果をまとめると以下の通りである。1.一足一刀の間合からの面打撃は,加速度レベルが低いため,加速度による傷害発生の可能性が3種類(MA:その場から,MB:送り足で,MC:一足一刀の間合から)の打ち込み条件の中では最も低かった。
2.頭部への一回の打撃により頭蓋骨々折・脳震盪といった傷害が生じるレベルには達していない。しかし,慢性硬膜下血腫の発症との関連も心配されることから,連続的な衝撃や長年にわたる衝撃の影響について,今後検討する必要があると考える。
3.突き動作では加速度レベルが低いため,加速度による頭部の傷害発生の可能性は低いと考えられる。

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