地質調査研究報告
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榛名火山の後期更新世及び完新世噴出物から得られた炭素14年代
下司 信夫大石 雅之
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2011 年 62 巻 3-4 号 p. 177-183

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抄録

 新期榛名火山の主要な3回の火砕噴火の噴出物について,炭素14年代値が得られたので報告する.得られた年代値は白川火砕流堆積物から2件,二ッ岳渋川テフラから3件,二ッ岳伊香保テフラから4件である.白川火砕流から得られた年代値は45 ka であり,これは新期榛名火山最初で最大の火砕噴火の年代を示す.二ッ岳渋川テフラから得られた年代値は1540~1640 yr BP であり,また二ッ岳伊香保テフラからはいずれも1480 yr BP の年代値が得られた.これらの結果は,二ッ岳渋川噴火は5世紀末~6世紀初頭にかけて,伊香保噴火は6世紀後半から7世紀初頭にかけて発生したことを示す.

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© 2011 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
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