2012 年 4 巻 1 号 p. 1_13-1_25
本研究の目的は,専門看護師(以下CNS)が,組織において期待される役割を遂行するための看護管理者からの支援を明らかにし,CNSが看護管理者との連携を十分に行い,効果的な役割を遂行するための方法を組織文化の観点から検討することである。
対象は看護系大学院を修了後5年以内で,医療機関または介護施設において看護を実践している「がん看護」,「急性・重症患者看護」,「老人看護」領域のCNS,およびCNSを雇用している医療施設に勤務し,CNSの直属の上司となる看護管理者で,データは面接調査法により収集し,質的帰納的分析を行った。
その結果,対象者は,CNS8名,看護管理者8名で全て女性であった。分析の結果,CNSが認識した看護管理者からの支援は<CNSの思いを考慮に入れて関わる>,<役割を組織に浸透させるためにCNSが自信を持てるよう後押しする>等の6つに分類され、看護管理者の結果は,<CNSとしての能力を高めるために相談・助言を行う>,<組織のニーズとCNS役割がつながるように定期的に情報交換する>,等の6つに分類された。
以上の結果から,看護管理者は,CNSに対し新しい職場環境適応のための支援を行っていることが明らかとなった。また看護管理者が組織全体をアセスメントし,組織の質を上げるためにCNSを意図的に活用していることも示された。経済的支援では,CNS活動を支える将来に向けた取り組みを示し,社会全体への働きかけの重要性が示唆された。CNSが効果的に看護管理者とコミュニケーションを通じた関係を構築するためには,組織文化の側面のアセスメントとコミュニケーション技法の習得が重要と考える。