2012 年 4 巻 1 号 p. 1_26-1_37
本研究の目的は,四川大地震1年後におけるヘルスケア専門職へのグループインタビューにより,災害後リハビリテーション(以下リハ)および看護における課題を明らかにし,災害後リハに携わる看護職に必要な学習内容と方法を検討することである。最終的に災害リハに携わる看護師への教育プログラムの開発に資するために,四川大地震の1年後に,被災患者のリハに携わったヘルスケア専門職へのグループインタビューを実施し,その内容を質的に分析した。結果,ヘルスケア専門職は被災患者の特徴を<合併症が多く回復に時間がかかり家族のサポートが少ない><精神的問題の解決にリハの効果が大きい><都市部と農村部のリハニーズの差が大きい><精神的問題が大きい>と認識していた。またリハ提供上の困難として<もともとリハ資源が不足しており,災害によりさらに悪化している><被災により現場のヘルスケア専門職の負担が増大している><リハの知識と技術の不足を自覚することによる無力感がある>が挙げられた。リハ提供上の課題として<被災患者のリハニーズの変化への対応><被災地のリハ拠点の開設><リハシステムの構築までの期間のサービス提供に必要な実践的研修の実施><患者と家族への教育機会の提供><リハを含む包括的な医療体制の構築><系統的なリハの知識技術を学ぶ機会の確保>が認識されていた。看護の課題として<患者教育の重要性の認識><リハ看護師のコミュニケーション能力の向上><生活機能の再獲得のための看護技術の習得>,<リハ看護の専門性の確立><リハ看護技術の標準化><精神的援助を提供しようとする際の文化的障壁への対処>が認識されていた。以上の結果から,災害リハの課題と災害リハに携わる看護職の学習内容および方法に示唆が得られた。