目 的
高齢者介護施設(以下,介護施設)における外国人ケア労働者(以下,外国人)を対象に,独自に開発した「異文化間ケア教育e-learning」(Cross-cultural Care e-Learning:CCL)の教育効果を検証し,介護施設で就労する外国人の異文化適応の促進にむけて検討する。
方 法
CCLはパンフレットと動画から構成される。教育介入後,Web調査(無記名式)とケア行動記録を用いて,縦断的測定で教育効果を検討した。評価時期は受講開始前,1か月後,3か月後とした。CCLの介入効果の評価は,受講後の意見や自由記述,ケア行動記録,そしてワーク・エンゲージメント尺度(以下,UWES),職務満足感尺度,ストレス反応等の尺度から分析した。教育方法の評価は,受講後の意見や自由記述,ケア行動記録から分析した。
結 果
介入対象者は31名,3時点全てで評価した回答者は12名であった。介入評価として,CCL直後は【ケアスキルの向上】,【ケアの文化差への気づき】,ケア行動記録からは【異文化間ケアを受容】,【ケアの再認識】のカテゴリーが抽出された。3時点の尺度の分散分析では,心理的ストレスの内,心理的な仕事の量的負荷の得点が期間の進行で有意に低下していた。教育方法の評価では,【理解しやすい内容】,【将来への活用が可能】等が抽出された。
考 察
今回のCCLが,外国人の学習ニーズに応え,異文化適応の内,社会文化的適応に重要な仕事の文化や慣習に関する理解を促し,心理的ストレスの低減につながっていた。CCLが日本の職場環境での仕事への順応を支援し,日本人との「協働文化」構築への手がかりとなり得ることが考えられる。
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