文化看護学会誌
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その他(資料)
国民健康保険組合の設立と保健婦活動の展開
― 千葉県社会保健婦養成所卒業生の履歴から ―
川上 裕子
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2012 年 4 巻 1 号 p. 1_38-1_46

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抄録

 千葉県を対象として,保健衛生対策が国策として推進され,農山漁村民の救済対策として国民健康保険制度が開始された時期に,国民健康保険組合の中で活動する保健婦の養成が始められた要因とその実態について検討した。
 千葉県社会保健婦養成所は,その卒業生が出身地域に貢献することを企図して設立されたため,出身村からの推薦による出願,修学に関する県の費用負担,給費等が存在した。社会事業費に占める予算割合の大きさからは,潤沢な経費,出身村に配置するための県から村への費用補助が確認できた。
 社会保健婦の活動は,住民の生活に深く関与し,それゆえ地域の文化や生活様式に根づいた支援が必要とされるものである。千葉県における社会保健婦養成の取り組みは,直接的には地域での医師や産婆の不在という物理的要因によるところが大きかったにせよ,結果的には地域社会での人材発掘,養成,活用といった点を実現したことで,地域の実情と住民の求めに応じた活動の展開を可能にするモデルとして位置づけることができるのではないかと考えられる。

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