2014 年 6 巻 1 号 p. 1_1-1_11
本研究は,住民同士の支えあいを目指し,長期にわたる保健ボランティアの活動に対する保健師の支援内容,意識・姿勢,保健師の体制を明らかにすることで,ソーシャル・キャピタルの醸成に資する保健師活動のあり方を検討する。
保健ボランティアの活動が10年以上継続している3自治体における活動を選択し,その活動に1年以上従事している4名の保健師へ半構成的インタビューを実施した。X町の活動は,地域の身近な子育ての相談役と子育て支援ネットワークづくりを目的とした母子保健推進員活動,Y市の活動は,介護予防を目的とした身体機能の維持とともに近所の住民への誘い出しを含む,継続できる体操会場を運営するボランティア活動,Z町の活動は,健康管理事業の円滑な推進と地域住民の健康増進に関する協力を行う推進員活動であった。
関わる保健師は,どうなってほしいといった【目指すべき姿を持ち伝え続ける】こと,活動の方向性がずれないように【伴走する姿勢で継続的に関わる】ことが大事であり,【保健ボランティアから育てられている感覚を持ち続ける】ことで,双方向性のある関係を築いていくことが重要である。また,ソーシャル・キャピタルの醸成には長期間の支援が必要となる。そのため,関わる保健師間での常日頃からの【情報の共有だけでなく,気持ちや考えを共有する】ことができる組織文化を生成・継承できる体制を整えることが必要であることが示唆された。