2014 年 6 巻 1 号 p. 1_12-1_23
本研究の目的は,A県に在住する中国帰国者1世・2世とその中国人配偶者の健康状態と医療・看護・介護ニーズの実態を明らかにし,必要とされる看護支援を検討することである。
関東圏A県在住の50歳以上の中国帰国者1世・2世とその中国人配偶者を対象として,無記名式の質問紙調査を実施した。調査内容は,基本属性,日常生活動作の困難,精神的健康(GHQ12),日本での受療経験,保健師・訪問看護師の認知等であった。心身の健康に必要なこと等については自由意見を求めた。
163名から有効回答が得られ,内訳は,帰国者1世が62名,帰国者2世が30名,帰国者1世または2世の中国人配偶者が71名であった。男性が70名,女性が90名,平均年齢は65.6歳,帰国年数は16.9年であった。日常生活動作では歩行に困難をもつ者が2割弱であった。精神的健康問題が疑われる者は4割強であった。日本での受療経験はほとんどの者が有していた。保健師・訪問看護師を認知している者はそれぞれ2割台であった。心身の健康に必要なこととして,心の持ち方や生活習慣に加えて,通訳や生活の安定が挙げられていた。
以上より,中国帰国者1世・2世とその中国人配偶者の文化を配慮した看護支援として,言語の障壁を考慮すること,行政や福祉サービスと連携して多角的にかかわること,地域住民の理解を促すことなどが重要であることが示唆された。