目的 本研究の目的は,壮年期に脳卒中を発症した生活者のニーズに沿った看護を実践するために,壮年期に脳卒中を発症した生活者の健康に関する価値観を解釈的現象学を用いて記述し明らかにすることである。
本研究における「健康に関する価値観」とは,個人がこれまで生きてきた過程で「よい」とみなす身体的・精神的・社会的健康及びスピリチュアリティヘルスに関する意識である。
方法 脳卒中を発症した外来通院中の30歳から50歳代の11名に非構造化面接を行った。分析方法はBennerの提唱する解釈的現象学を用いた。
結果 11名の脳卒中を発症した生活者の健康に関する価値観の解釈を試みた結果,〈障害をもっても個人として理解してくれる人と共に‘社会’で生きる〉〈仕事はあるのが普通で大事〉〈家族の助けがある〉〈自己の生への変革に努力する〉〈話をしてくれる人が大事〉〈人に迷惑をかけない〉〈死と隣り合わせで生きる〉〈養生する〉〈麻痺があっても普通に動く〉という9つのテーマが見出された。
考察 以上より,本研究によって示された9つの健康に関する価値観は,家庭・生活・健康の維持,社会参加,自立,自律性,回復の希求,生への価値,死生観を表すものであり,脳卒中を発症した生活者が,障害をもっていかに生きるかを指し示すものと考えられた。