放送研究と調査
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これからの“放送”はどこに向かうのか?Vol.4
~放送事業者の“コアミッション”とは?~<2019年2月~7月>
村上 圭子
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2019 年 69 巻 10 号 p. 2-32

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抄録
本稿は、2017年から約半年に1度まとめてきた、放送に関連する新サービスや政策の最新動向を俯瞰し論点を提示するシリーズの第4回である。今回は、2019年の2月から7月までを対象とする。この時期の地上放送事業者の動向を端的にキーワードで示すとすれば、民放においては“視聴ログデータ活用”、NHKにおいては“常時同時配信”となるだろう。あらゆるメディアサービスがインターネットテクノロジーをベースとする方向に向かう“メディア構造変化”時代を迎える中、民放は視聴率を前提とした広告によるビジネスモデルを、NHKはテレビ受像機による視聴を前提とした受信料による運営モデルを、新たな時代に見合うモデルにするための模索が本格化している。本稿は4つの柱で構成する。1つ目は、最新の筆者の認識として、テレビ・放送を取り巻く構造変化について俯瞰図を示す。2つ目は、新たな取り組みが進む地上波民放のビジネスモデルについて考察する。3つ目は、法制度についてである。NHKの常時同時配信を解禁する改正放送法の公布が最大のトピックであった。最後に、地上放送事業者の今後の存在意義について考える。これまで地上放送はメディアプレイヤーとしては“オールラウンド型”であったが、これからは“コアミッション型”に変えていく必要があるというのが筆者の見解である。ではこれからの社会における地上放送のコアミッションとは何か、それを考えるきっかけを提示したい。
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© 2019 NHK放送文化研究所
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