抄録
【目的】認知機能や身体機能が低下した腹膜透析(PD)療養者において,訪問看護が在宅療養継続にどのように寄与したかを検討した.
【患者紹介】80歳代男性.認知機能障害および身体的ADLの低下により,セルフケアも家族の支援も困難な状況にあったが,訪問看護の介入のもと,自宅で最期までPDを継続した.
【看護の実際】訪問看護師がPD手技を担い,食事や保清を含む生活支援を併せて提供.状態変化に応じて柔軟な対応が行われた.
【考察】PD継続には医療・介護の連携が不可欠であり,現行制度では訪問看護に介護的役割も求められている.
【結論】PD療養者の在宅継続支援には,訪問看護による包括的ケアと制度・多職種連携が重要である.