抄録
2025年10月に行われた宮城県知事選挙は、SNSなどで偽・誤情報や誹謗(ひぼう)中傷が飛び交うなかで行われ、候補者の選挙活動に大きな影響を与えた。地元紙などいくつかのメディアは、こうした情報の正確性を検証する取り組みを実施した。
本稿ではまず、宮城県知事選挙で拡散した偽・誤情報と、それに対するメディアの対策について、事例を挙げて詳述した。具体的には、当選した村井嘉浩知事に関する「悪行14選」と題する画像と、河北(かほく)新報が偽・誤情報対策として掲載した「かほQチェック」という記事である。そのうえで、宮城県に居住する2,000人を対象にインターネットアンケートを実施し、こうした偽・誤情報や、メディアの対策が有権者にどの程度影響を与えたのかを定量的に分析した。
アンケートの結果、投票した人の70%余りが「悪行14選」に関する情報を何らかの形で見聞きし、このうち半数近くが投票に影響したと答えた。また、投票した人の30%近くが「かほQチェック」の記事に何らかの形で接し、このうち半数が投票に影響したと答えた。