抄録
2025年12月8日午後11時15分ごろ、青森県東方沖を震源とするマグニチュード7.5の地震が発生した。青森県八戸市で震度6強を観測し、北海道から東北にかけての太平洋沿岸に、津波警報や津波注意報が発表された。この地震を受けて、内閣府と気象庁は翌9日午前2時に、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表した。この情報は、北海道から岩手県にかけての沖合に広がる日本海溝と千島海溝で巨大地震が発生する可能性が、ふだんと比べて相対的に高まっているとして注意を呼びかけるものであり、2022年12月の運用開始以来、初めての発表だった。
本稿では、まず、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」の目的や、導入の経緯などを振り返る。そのうえで、情報の発表を受けた人々の防災への意識や備えはどのように変化したのかを探るため、NHK放送文化研究所が実施したインターネットアンケートの結果を分析する。
アンケート結果からは、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」の発表によって、地震に対する意識は高まったものの、具体的な防災対策には結びついていない実態が浮かび上がった。背景には、この情報が想定する巨大地震の規模や被害の深刻さが、十分に理解されていないことがあると考えられる。