分析化学
Print ISSN : 0525-1931
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同位体希釈誘導結合プラズマ質量分析法によるたい積物中カドミウム及び鉛の定量
稲垣 和三高津 章子仲間 純子内海 昭岡本 研作
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2001 年 50 巻 12 号 p. 829-835

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抄録

同位体希釈ICP-MS (ID-ICP-MS) を用いた堆積物中Cd及びPbの定量について検討を行った. 試料は, 硝酸, 過塩素酸及びフッ化水素酸を用いてマイクロ波酸分解した. Cdについては共沈分離法により測定における干渉成分 (Zr, Sn) を分離後, Pbについては分解液を希釈後, 同位体比測定を行った. Pbの同位体比測定における204Hgによる204Pbへの干渉は, 202Hgを同時に測定することで見積もった. 本法による池底質標準試料NIES No.2中のCd及びPbの定量結果は, それぞれ0.819±0.011μg g-1 (測定値±拡張不確かさ) 及び103.81±0.76μg g-1であり, 認証値 (Cd: 0.82±0.06μg g-1, Pb: 105±6μg g-1) と良く一致した. 更に本法を用いて, 堆積物中Cd及びPb分析の基幹比較 (CCQM-K13, Cd and Pb in sediment) に参加した結果, 良好な結果が得られた.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry 2001
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