抄録
近年の電子デバイスの微小化に伴い,ナノレベルでの分析・評価技術の確立が急務となっている.そこで,ナノ局所領域の元素分布分析の実現を目的とし,高空間分解能かつ高効率な二次イオン検出を実現するナノビームSIMS装置の試作を行った.本装置の一次イオンビームの評価を行った結果,面方向分解能の一つの指標となるエッジ分解能は標準偏差1σで22 nm程度と見積もられた.更に二次イオンマッピングにおけるユースフルイールドを議論した結果,数十nmの深さ方向を持つ試料に対して有効な分析手法であることが示唆された.更にDRAMのAlの二次イオンマッピングを行い,高空間分解能かつ高効率な二次イオン検出による27Al+の元素マッピングを可能とした.