分析化学
Print ISSN : 0525-1931
報文
チタン(IV)-ポルフィリン試薬を用いるヒト血清中微量成分のフローインジェクション分析
たか村 喜代子, 中道 典宏, 松原 チヨ
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 53 巻 4 号 p. 315-321

詳細
抄録
著者らは,既に過酸化水素の高感度吸光分析試薬としてTi-TPyP試薬[oxo{5,10,15,20-tetra(4-pyridyl)porphyrinato}titanium(IV) 錯体の強酸性水溶液]を開発した.本試薬は過酸化水素と反応してペルオキソ錯体(モル吸光係数: 1.1×105 M-1 cm-1,450 nm)を生成する.本試薬を検出試薬としてフローインジェクション分析(FIA)系に組み込んだところ,過酸化水素の定量範囲は1×10-8~1×10-5 M(1.0~1000 pmol/test),検出限界は0.5 pmol/test(S/N=3)であった.そこで本報では,生体成分分析におけるこの方法の有効性を確かめるために,FIA系に固定化酸化酵素カラムを設置して,ヒト血清中含有量がそれぞれ異なるグルコース,尿酸及びガラクトースの定量を試みた.グルコース及び尿酸は,それぞれ血清量0.05及び0.5 μlで正常域,異常域試料共に定量可能であり,分析試料の少量化に成功した.また,これらに比して血清中含有量が極めて低いガラクトースも,20 μlの血清量で9 μg/dl(0.5 μM)まで定量することができ,生化学分析における本法の実用性が示唆された.
著者関連情報
© The Japan Society for Analytical Chemistry 2004
前の記事 次の記事
feedback
Top