抄録
高周波誘導結合プラズマイオン源質量分析法(ICP-MS)は最も高感度かつ迅速な微量元素分析法の一つとなっている.また,イオン源が大気圧であることから,様々な試料導入法の適用が可能であり,溶液試料だけではなく,固体試料,気体試料中の微量元素分析にも応用されている.特にレーザーアブレーション法を用いた固体試料導入法は,レーザー技術の急速な進歩もあり,分析空間分解能や分析精度が飛躍的に向上し,地球化学試料の分析にはなくてはならない手法となっている.また,多重検出器を備えた磁場型ICP-MS(MC-ICP-MS)の実用化により,鉄,銅,亜鉛といった原子番号の大きな元素に対しても,高精度同位体分析が可能となり,その結果,地球化学への応用が進んでいる.そこで本稿では,最近目覚ましい進歩を遂げたレーザーアブレーション法と,MC-ICP-MSを取り上げ,その動作原理と最新の分析応用例を紹介する.