分析化学
Print ISSN : 0525-1931
年間特集「火」:技術論文
火を用いる1000℃ 以上の複素インピーダンススペクトロスコピー―高温における物理・化学特性評価のための新手法―
石井 真史
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2012 年 61 巻 10 号 p. 827-832

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抄録
1000℃ を超える高温における物理・化学特性を分析する新しい手法として,火を用いる複素インピーダンススペクトロスコピー(OTD-CIS, over thousand degree centigrade complex impedance spectroscopy)を提案する.火は電気伝導を持つため,それを加熱と共に電気プローブの目的に使用するのが基本的アイディアである.一方で火は理想的な導体ではないため,直流と交流特性のそれぞれを考慮して,条件の選択や解析上の処理が必要になる.直流では,火の整流性の影響を回避するため,バイアスを印加して電流-電圧特性が線形となる領域を選択する.交流では,火の正イオンの応答特性を除去するため,差分解析を行う.これらの措置により,酸化アルミのOTD-CISスペクトルが得られた.スペクトルの解析により,抵抗率はOTDでも減少し続けるのに対し,誘電率は室温から変化しないことを示した.
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© The Japan Society for Analytical Chemistry 2012
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