抄録
アセトン-ブタノール発酵蒸留液(98%含水)中のn-ブタノール,アセトンおよびエタノールの分析にガスクロマトグラフ法を応用するため18種のカラムについて試験し,このうち(A)トリエタノールアミン(10%)カラムと(B) Tween-80(15%)-グリセリン(5%)カラムが日常迅速分析に適していることを見出した.Aカラムではn-プタノールのピークと水のピークが一部重なるが,Bカラムでは4成分が完全に分離し,所要時間はそれぞれ9分および 17分 であった.
定量は内部標準にn-プロパノールを用い,ピークの高さの比でおこなった.分析精度はアセトンとエタノールではAカラムがよく,n-ブタノールではBカラムが優れていたが日常分析にはAカラムで十分であつた.