分析化学
Print ISSN : 0525-1931
イオン交換法によるルビジウムとセシウムの分離
放射性指示作用による分析化学的研究(第23報)
石橋 雅義藤永 太一郎小山 睦夫内藤 泰二
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1961 年 10 巻 2 号 p. 116-119

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抄録

86Rbと137Csをトレーサーとして,ルビジウムとセシウムのイオン交換分離をバッチ法ならびにカラム法で検討した.陽イオン交換樹脂Dowex 50-X8,200~400メッシュを用い,バッチ法によって0.2~1N塩酸溶液中におけるルビジウムとセシウムの分布率を測定した結果,塩酸濃度が小さいほど分離が良好であることが推定された.カラム法では,それぞれ単独の場合の溶離曲線をレートメーターで自動記録し,塩酸濃度,当該塩存在量などの溶離曲線におよぼす影響を検討し,0.5N塩酸を溶離液として直径0.6cm,長さ25.5cmのカラムを用いて塩化ルビジウム7.0mgと塩化セシウム9.8mgを分離できた.なお他のアルカリ金属およびアンモニウムイオンのセシウム溶離曲線におよぼす影響も検討し,二,三の知見を得た.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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