放射線イオン化検出器を用いる高感度ガスクロマトグラフィー
1964 年 13 巻 11 号 p. 1109-1116
詳細
1964 年 13 巻 11 号 p. 1109-1116
本来“アルゴン検出器”として作られたものでも,印加電圧,キャリヤーガスなど使用条件を適当に選ぶことによって,一つの放射線イオン化検出器で,多目的に利用できることを確かめた.たとえば,キャリヤーガスに窒素を用い,検出器への印加電圧を極端に低くして,テトラクロルベンゼンのような電子に対する親和力が大きい化合物を測定すると,明らかにイオン電流の減少が認められ,電子捕獲検出器として動作する.またキャリヤーガスにヘリウムを用い,検出器への印加電圧を高くしていくと,電離断面積検出器として動作する.もちろん,本来その目的に応じて設計された検出器と比較したときは,多少その性能が劣ることが予想されるが,たとえば,電子捕獲検出器として設計されたものでニトロベンゼンを測定し,比較した結果,感度において約1/4～1/5下がる程度であった.
