分析化学
Print ISSN : 0525-1931
カーボンチップ-スズ-ニッケルはくを用いた真空融解法によるフェロシリコン中の酸素定量
フェロシリコン中の酸素定量法に関する研究(第1報)
須藤 恵美子斎藤 守正井上 博之
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1968 年 17 巻 11 号 p. 1364-1369

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抄録

フェロシリコン(シリコン含有量60~90wt%)中の酸素を粉末試料について真空融解法による定量の検討を行なった.従来使用されているカーボンチップ法,鉄-ニッケル浴法,白金浴法などの各方法について検討したが,ガスがじゅうぶんに抽出されなかった.そこでカーボンチップに各種浴を併用した混合浴を検討した結果,新しい浴としてカーボンチップとスズとニッケルはくとを併用した浴(以下カーボンチップ-スズ-ニッケルはく法と呼ぶ)は従来の方法よりガス抽出率がかなり高く,その定量値は高速中性子による放射化分析による酸素定量値と比較した結果,約70%であった.
粒度10~16メッシュのカーボンチップとスズを投下脱ガス後,ニッケルはくに包んだ約0.1gの試料を1100~1200℃で投下,ただちに温度を1700~1750℃に上げ, 4分間ガス抽出を行なう.この方法による精度は,酸素約0.2%の試料で変動係数10%以内であった.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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