1968 年 17 巻 11 号 p. 1358-1363
高純度ネオペンタンの生成および精製法について研究し,回転バンド式精密蒸留装置とモレキュラー・シーブ5Aを使った精製法が最も効果があることがわかった.得られたネオペンタンの純度を断熱型熱量計を使って測定した.決定された純度および純度決定に必要な物性定数は,純度99.9968モル%, 三重点256.750°K, 圧力268.47±0.13 torr, 融解熱740.0±0.3 cal/molであった.また同じ試料を使って融点付近の比熱を測定し前融解現象の模様を調べた.その結果,融解点直前で結晶格子に欠陥ができて,不純物によって生ずる比熱の異常よりもこの欠陥によりかなり大きな前融解現象がみられることがわかった.