分析化学
Print ISSN : 0525-1931
酸-塩基けい光指示薬に対する混合溶媒の影響
加藤 皓一
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1968 年 17 巻 11 号 p. 1377-1384

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抄録

ウラニンと4,5-ジクロルフルオレセインについて,水-メタノール,水-エタノール,水-アセトン混合溶液中のけい光指示薬としての変色範囲を求めた.ウラニンの水溶液中での変色範囲はpH 3.0~5.0であるが, 40%エタノール中では5.2~7.5, 80%エタノール中では6.7~8.4と変化する. 4,5-ジクロルフルオレセインについても同様な傾向がある.高いpHにおいて,両者とも,けい光強度が減少するとともに,極大波長が長波長側に移動する傾向があるが,この原因を調べるために,同一試料について吸収スペクトルをとり,その試料のけい光スペクトルと比較したところ,高いpHのとき大きな吸収帯が生じており,けい光強度の減少と極大波長の移動は,この吸収帯によるけい光の吸収によるものと考えられる.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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