1968 年 17 巻 11 号 p. 1432-1436
ナイロン6-66共重合体について,不活性気体(アルゴン)中での熱分解によって得られた分解生成物の四塩化炭素溶液の赤外吸収スペクトルを測定して組成分析を行なう方法を研究した.分析結果に及ぼす試料量,アルゴン流速,熱分解温度および吸収溶媒の量を検討し,それぞれ30mg, 1.65cm/sec, 500℃, および四塩化炭素0.5mlを用いた.また分析に用いる特性吸収の吸光度比A1680cm-1/A2920cm-1, A1750cm-1/A1680cm-1およびA1750cm-1/A2920cm-1について,分析精度を検討した結果, A1680cm-1/A2920cm-1を用いて,相対標準偏差2~5%で,単独重合体の混合試料の検量線から,共重合体の組成を定量することができた.またポリアミドの熱分解についても若干の考察を行なった.