分析化学
Print ISSN : 0525-1931
原子吸光分析法による酸化鉄中の微量鉛の定量
松本 勲高林 稔雄中村 烈
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1970 年 19 巻 6 号 p. 771-775

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抄録

既報に引き続き次の3件を検討した.
(1)鉄イオンのマスキング剤としてトリエタノールアミンの適用
(2)発光補償の有無が測定値に及ぼす影響
(3)水溶液での検討(高感度機種で)
結果(1)については鉄250mg,マンガン5mg,コバルト,クロム,ニッケル,亜鉛,各0.5mg,銅0.2mgまで共存しても影響がないこと.(2)については発光補償の影響が認められなかったこと.(3)については共存する鉄イオンをメチルイソブチルケトンで抽出後,水溶液を濃縮することにより0.001~0.010%の測定範囲で変動率は3%程度で既報のジチゾン-メチルイソブチルケトン溶媒抽出法と比較してじゅうぶん満足でき,実用的に簡易化できることが判明した.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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