分析化学
Print ISSN : 0525-1931
充てん剤混合法ガスクロマトグラフィーにおける種々の化合物の保持指標と固定相の相対極性との関係
混合固定相によるガスクロマトグラフィーに関する研究(第7報)
三戸岡 憑之
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1972 年 21 巻 2 号 p. 197-206

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抄録

極性の異なる固定相液の充てん剤2種類を混合した充てん剤混合法ガスクロマトグラフィーにおいて,溶質成分の保持指標と固定相混合組成(液相の重量分率)との間に直線関係が成立する場合のあることがわかったので,さらに,このような関係が成立する条件あるいは一般則を明らかにする目的で,無極性から高極性に至る極性の異なった6種類の液相充てん剤を用い,任意の2種類を組み合わせた15組の混合系について,化学構造の異なる種々の化合物の保持挙動を調べた.その結果,スクアランを0,1,2,3-トリス(2-シアノエトキシ)プロパンを100としたときの二つの液相の相対極性の差(ΔP)が約30以下の組み合わせ混合系では直線関係がよくなりたち,ΔPが大きくなるにしたがって高極性側での直線からのかたよりが著しくなることがわかった.また,ΔPが30以下の混合系3~4種類を組み合わせることにより,スクアランから1,2,3-トリス(2-シアノエトキシ)プロパンまでの広い極性範囲にわたり任意の中間極性の固定相を調製することが可能なことが明らかになった.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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