分析化学
Print ISSN : 0525-1931
スクアランと極性液相の混合充てん剤を用いたガスクロマトグラフィーにおける芳香族酸素化合物の保持挙動
混合固定相によるガスクロマトグラフィーに関する研究(第6報)
三芦岡 憑之
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1972 年 21 巻 2 号 p. 189-196

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抄録

低極性側液相に無極性のスクアランを用い,これに高極性側液相としてフタル酸ジノニル,リン酸トリクレジル,ポリエチレングリコール600,ポリジエチレングリコールサクシネート,または1,2,3-トリス(2-シアノエトキシ)プロパンを組み合わせた5種類の充てん剤混合系について,芳香族酸素化合物の保持挙動を調べた結果,保持指標と混合組成(液相の重量分率)の間にほぼ直線関係がなりたつことがわかった.しかし,高極性側液相の極性が高くなると,混合組成が0または1.00重量分率近くでは直線からのかたよりが著しくなり,特に高極性液相に対するスクアランの少量添加による溶質-溶媒間相互作用抑制効果は顕著であって,保持指標を大きく変化させることがわかった.蒸気圧指標(理想保持指標)の計算式を導き,実測保持指標値との差が,溶質保持に及ぼす相互作用効果を定量的に表わすものであることを明らかにし,これによって単一液相および混合相の相対極性を評価した.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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