1972 年 21 巻 3 号 p. 326-330
ポリブタジエンおよびコポリ(ブタジエン・アクリロニトリル)について高周波誘導加熱法による熱分解生成物を水素炎イオン化検出器を用いて分析を行なった.熱分解温度434℃におけるポリブタジエンのパイログラムからブタジエンと4-ビニルシクロヘキセンの両生成物について感度補正を行なって,全1,4含量と4-ビニルシクロヘキセンとブタジエンとのモル比の間に直線関係が得られた.
次にコポリ(ブタジエン・アクリロニトリル)については541℃におけるコポリ(ブタジエン・アクリロニトリル)のパイログラムからアクリロニトリルの相対生成率(モル分率)と組成の間に直線関係を得た.分解温度541℃において,それぞれのピーク高比をとってエチレン/ブタジエン,プロピレン/ブタジェン,C5炭化水素/ブタジエン,メタクリロニトリル/アクリロニトリルおよび4-ビニルシクロヘキセン/ブタジエンを比較するとランダムコポリマー,交互コポリマーおよびホモポリマー混合物についての境界効果が推定できる.