分析化学
Print ISSN : 0525-1931
プラスチック容器中の無機介在粒子
黒羽 敏明
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1972 年 21 巻 4 号 p. 502-505

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抄録

高純度物質,分析用試薬などの容器として用いられるプラスチック容器について,含まれる介在粒子の大きさ,数量,分布,組成を研究した。主としてテフロン試薬びんについて検討したが,介在粒子の大きさは数μから200μ程度で多くは50μ以下であった.これらの粒子は全体に分布し特に顕著な偏在は見られなかった.粒子の主成分として鉄,チタン,マグネシウム,カルシウム,ケイ素が認められた.粒子の数は,テフロン試薬びんでは7~20×103個/cm3,ポリエチレン試薬びんでは,9×102個/cm3,ポリプロピレン試薬びんでは7×102個/cm3であった.介在粒子を代表する成分として鉄を定量した結果,テフロン試薬びんでは18ppm,原材料のペレットでは0.5ppm以下の鉄が検出された.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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