分析化学
Print ISSN : 0525-1931
プラスチック容器の清浄法
黒羽 敏明
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1972 年 21 巻 4 号 p. 506-510

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抄録

プラスチック容器中に含まれる介在粒子の除去法を検討した.介在粒子を除去するうえで最も重要な因子は浸出液がプラスチック中に拡散することと,介在粒子と反応することである.
テフロン中への拡散量は,硝酸が約0.1%,塩酸が約0.02~0.03%で水はほとんど拡散しなかった.しかし硝酸浸出処理を受けたあとでは,塩酸および水とも0.05%程度拡散した.ポリエチレンの場合は,塩酸で約0.1%,水は約0.05%拡散したが,硝酸はポリエチレンを一部分解してしまった.
原子炉で照射したテフロン試験片について,鉄をトレーサーとして浸出効果を求めたが,大きな粒子(200μ)を取り除くには5日間程度の浸出処理が必要であった.
テフロンの場合は,硝酸-塩酸の混酸と硝酸の併用が,ポリエチレンの場合は塩酸が介在粒子の除去に対して効果的であった.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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